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レイクヴィラファーム/内村 翔さん

BTCの教官の方から「性格も良くて乗りやすい馬」と言ってもらえたことですね。

育成担当 内村 翔さん

熊本農業高校→BTC第17期卒業
レイクヴィラファーム(洞爺湖町)勤務新しいタブで開きます

質問1 現在の仕事内容

私が働いているのは洞爺湖町のレイクヴィラファームです。以前はメジロ牧場として、メジロマックイーンやメジロライアン、そしてメジロドーベルといったGI馬たちを送り出してきました。
メジロ牧場への入社を志した経緯ですが、生産馬たちの活躍に惹かれただけでなく、牧場で産まれた馬を厩舎まで送り届けることができる総合牧場であるからこそ、様々な仕事に関われるのではとの思いもありました。
実際にメジロ牧場時代には騎乗スタッフとしての仕事を行う一方で、イヤリングの仕事も平行して行うことができました。メジロ牧場としては最後の世代となるサトノノブレスは、離乳に携わった馬となります。
平成11年の5月に生産とイヤリングを主体としたレイクヴィラファームとなってからは、育成スタッフを離れ、お産、中期育成、セリの上場馬の管理など、その時々に合わせた業務をスタッフたちと共に行っています。
現在、自分はイヤリングの牡馬を中心とした仕事を行っています。
冬期間のスケジュールは朝の7時にミーティングをして、各スタッフごとにその日の仕事の流れを整理します。その後は夜間放牧をしている1歳馬の集牧や放牧、放牧地への給餌や馬体チェックなどを行っています。
午前11時から午後1時までが休憩で、休憩明けには再びミーティングで午後の仕事内容を確認。その後、セリ上場馬のレントゲン撮影や、馬房の掃除、飼い葉作りなどを行い、午後5時に全ての業務を終えるようにしています。
本格的な出産シーズンを迎えた頃になると、まだ朝の始業が早くなることもありますし、セリシーズンの前になるとセリの馴致といった仕事も入ってきます。

質問2 牧場就業を選んだ理由

中学から競馬に興味を持つようになり、競馬中継などを見ていくうちに、自分も馬の仕事をしたいと思うようになりました。高校では馬術部に所属していたのですが、その頃、乗馬として跨っていた馬が、どんなところで産まれたのだろう? と思い、日高へ旅行をしに行ったこともあります。
その乗馬が産まれた牧場なのですが、たまたま代表の方が同郷(熊本)で、見学に来た自分を快く迎え入れていただきました。それどころか、卒業後に馬の世界で働きたいのならと、興味のあった牧場を何件も回ってもらったのですが、その時、当時のメジロ牧場にも行っていただけました。
その時は「今はスタッフが多いから採用することはできない」と断られたのですが、「浦河にBTCという研修施設があって、そこでは馬の仕事を学べる」と教えてもらいました。自分は乗馬を通して馬を理解していたつもりだったのですが、BTCでは乗馬だけでなく馬学など、実に様々なことを学ばせてもらいました。また、坂路を始めとする様々な施設で騎乗させていただいたことなど、自分のホースマンとしての基礎を作ってくれた場所だと思います。

質問3 仕事で一番嬉しかった事、または醍醐味

やはり自分が携わった馬がレースに勝つことは嬉しいです。兄弟や近しい血統馬の血統的価値も上がっていきますし、競走馬として活躍できたのなら、その後、種牡馬や繁殖牝馬、あるいは乗馬となった際に、長く人と接することができるからです。
最近、嬉しかったことは、今年のブリーズアップセールに上場を予定している生産馬(スリーダイメンションズの13、牝、父ダノンシャンティ)が、BTCの教官の方から「性格も良くて乗りやすい馬」と言ってもらえたことですね。イヤリングでの馬作りや、セリ馴致を行う際、育成調教をしっかりとクリアし、競馬に繋がっていく馬を作ろうと思っていただけに、この馬に関してはその一段階がクリアできたような気がしています。

質問4 仕事で大変だった事、または失敗エピソード

この仕事をしていて、あまり大変だったと思ったことはありません。ただ、牧場のある場所は、北海道内でも特に雪の多い場所であり、育成スタッフの頃は吹雪の日に馬に騎乗するのが辛かったですね。
騎乗していると手の感覚が無くなっていき、引っかかる馬を抑えられないこともありました。

質問5 仕事をする上で心がけている事

その時々で考えていることも違いますし、またこの仕事をしていく中で変わってきたとも思えます。今は心身共に強い馬を作るというだけでなく、競馬なら競馬で、また乗馬になってからも乗馬として、人から信頼を置かれる馬を作って見たいと思います。
この仕事を目指した自分もそうですが、馬を通して人が繋がっていくこともあるわけですし、その繋がりを生み出せるような馬を送り出したいとも思っています。

質問6 仕事上での今後の夢、または目標

勿論、生産馬にはグレードレースを沸かすような活躍をして欲しいと思います。そのためには、まだまだ学ぶことも多いですし、知識も広めて行きたいです。
現在、レイクヴィラファームではノーザンファームさんからも技術指導を受けていますが、改めて馬の見方や接し方も変わった気がします。
そこで学んだことを生かして、レイクヴィラファームからより多くの活躍馬を送り出し、そして生産馬の多くにその名を残す「メジロ」の血統を繁栄させていきたいです。

私のoffStyle

自分の携わった馬に会いに牧場や乗馬施設に行ったりしています。

休日の過ごし方
最近は有給を溜めておいて、秋のセリが終わった後に休みをまとめて消化しています。昨年はフェリーを使いながら車で熊本まで帰ったのですが、実家に付いた頃には運転で疲れ果てて、「次は飛行機で来よう」とも思いました(笑)。あとは自分の携わった馬に会いに牧場や乗馬施設に行ったり、BTCの同期たちとも近況を確かめ合ったりもしています。