1. ホーム
  2. イベントに参加する
  3. 牧場で働こう体験会
  4. 2018 体験会レポート(4日目)

2018 体験会レポート(4日目)

2018 体験会レポート(4日目)

レポート(4日目)

体験会の内容も後半に入ります

参加する前は5泊6日というと日程に「少し長い」と感じる参加者もいたようですが、すでに折り返しを過ぎた4日目の朝です。牧場での体験会もこの日の午前中まで。ほとんどの参加者が終わってみれば「5泊6日では短すぎる」という思いだったようです。

様似町の様似町軽種馬共同育成センターは、その名前のとおりに離乳が済んだ1歳馬から育成、調教、そして休養などを担っています。ここでは3人の男子学生を受け入れていただきました。


重賞勝ち馬が先生役

ここでも牧場仕事の基本は「馬房掃除」と「厩舎掃除」です。辻啓太さんは「馬は馬房にいる間は寝藁の上で過ごします。寝藁が不潔のままでは蹄の病気になりやすく、それは馬にとって生命にかかわる重大な疾病を引き起こすことがあります。寝藁は常に新しく、乾燥していれば良いというものではなく蹄が乾燥しすぎないためにも適度な湿度も必要なのです。また、馬のボロを真剣に観察することで馬の体調を知ることができます」と馬房掃除の重要さと奥深さを説明し、「厩舎掃除は地味ですが、牧場仕事に必要な体力、筋力は掃除をすることで自然と備わってきますので手を抜かずにやって欲しい」と理由を教えてくれました。

そんな話を聞いて真剣に作業と向き合ってくれた彼らへのご褒美はかつて JRAで重賞競走を制した馬を使っての、頭絡の付け外し、そしてハミ付けです。慣れたスタッフが簡単に行う作業ですが、実際にやって見ると馬はなかなか口を開けてくれずに苦労の連続でした。「寝藁を均等に敷くことがこれほど大変なことだとは思いませんでした」「寝藁をほぐす作業がうまくいかずに悔しかった」など牧場の仕事は実際に経験しないと分からないことばかり。それを理解しただけでも意味のある牧場体験だったかもしれません。


こちらは集牧風景

浦河町の㈲谷口牧場は生産と、市場コンサイナーを行う牧場です。ここでも、前日に引き続き5時に仕事がスタートします。飼い葉桶を洗い、エサや水を用意。それが済んだら馬を馬房へと戻し、手入れを行います。谷口さんは「この体験会は短い時間ですが、競走馬は3年という時間をかけてデビューします。その中でたくさんの人の手がかかることを理解して欲しいと思います。送り出すときは、次のステップの人たちに思いを託し、受け取るときは、前の牧場で手をかけてくれた人たちの思いも一緒に受け取れるように。そうやって競走馬がデビューすることを知って欲しいし、競馬を見るときには、そういう背景があることを思い出して欲しい」と話し「当然のことながら、今回参加した人は牧場の仕事というものを漠然としたイメージで捉えていると思うので、限られた時間の中で少しでも多くのことを体験して欲しかった。それが彼らにとって将来の選択肢のひとつになれば嬉しい」と参加者を見守っていました。たくさんの材料を与えて、自主性を重んじる谷口さん。ウマとヒトは同じ舞台では語れないものかもしれませんが、どこか共通のものがあるのではないかと思わせる話をしていただきました。

充実した時間ほど短く感じるとも言います。牧場実習を終えた16人が再び顔を合わせたのは初日の夜を過ごしたAERU。ここでは乗馬体験を行いました。

経験者、多少の経験者、初心者と3組に分けてインストラクターが馬の扱いと手綱の扱い方を指導。そのあとは、外乗コースへと出発します。体験会に参加する前は馬に触ったことがないという人もいましたが、この日は全員が馬を扱ったことがある経験者。そして、この時間が終われば全員が「乗馬経験者」です。

この日の夜はBTC軽種馬育成調教センターが行う育成調教技術者養成研修の教育担当者や実際に牧場で働く先輩たちとの懇親会です。ここにいるすべての人は、実際に牧場の仕事を経験した人ばかり。共通の話題づくりに苦労した初日の夜が嘘のように話に花が咲きます。

過去のレポート